
労働組合は労働条件を良くしようとしている組織です。
もしかしたら「就業規則」をあなたの希望の通りにかえることができるかもしれませんよ!
今回はそんな労働組合についてまとめてみました。
労働組合とは
初めて社会人になったかたには「労働組合」と言われてもイメージできないかもしれませんね。

そんな方に向けて、まず日本の「労働組合」とは何かご説明していきます。
日本で多くの大企業の労働組合は「企業内労働組合」と言われます。
これは企業ごとに労働組合組織がつくられているということであり、実は「日本独特のスタイル」なんです。
これに対して例えば「アメリカ」では、自動車産業で働く労働者は企業ごとではなく、「全米自動車労働組合(UAW)」という巨大な労働組合の組合員となります。
フォードの従業員もGMの従業員も、全員このUAWに加入しているんですよ。
一方、日本の場合には、 トヨタにはトヨタの、日産には日産の労働組合が存在します。
それらの上部団体として「自動車総連」というものもありますが、まずは企業ごとの労働組合組織がベースとなっています。
アメリカの場合は、労働者は企業を越えて大きな組合に所属しているので、「会社がダメージを受けるようなことがあっても労働者は強い主張を押し通す」ことができます。
もし会社が倒産するようなことになってしまうと、主張を通している場合ではないですよね。
会社と労働者がともに支えあって反映していくことが、「企業内組合での基本スタンス」ということになっています。

このありかたは疑問ですよね?
しかし、互いに支えあって反映することを放棄してあなたの主張を強引に押し通していくということは、結局は「企業体力を弱体化」させることになりますね。
そしてそんな状態が続いてしまうと、いずれは労働条件も悪くなってしまって最後は雇用の維持も危なくなってしまうということにもなりかねません。
「藩士がお家に忠義を尽くす一方」「藩主は藩士を召し抱え続ける」という意識が今日に残り、日本の大企業を中心とした「労使関係」に影響したという考えです。
企業内組合では、基本的には社員イコール組合員という図式となりますので、組合員の労働条件を向上させるためには、「会社の業績を上げていく必要がある」という考えになってきます。
そのためには
「会社も社員も一体となって頑張っていこう」
「共に業績を伸ばしていこうという」
という想いを強めることができます。そうした想いは、最終的に「社員は家族と一緒」という風土の考え方につながってしまうんですね。
企業内組合のメリットとは?
組合と社員が一体になっていることから、企業内組合のある会社は「社員=組合員」を大切にするという傾向があります。企業内組合がある場合
「労働組合」が「会社の施策や制度に対してチェック機能」を果たします。
「労使協定」などの取り組みも「労働組合」となりますので、会社が勝手に都合のよい内容にすることは、難しくなるというわけです。
現場の実態にコンプライアンス上の問題がある場合には、労働組合がとうぜん改善を求めます。
さらに、労働組合の最大の特権は労働条件の向上に向けた交渉権を持っていることです。
毎年、春には「労働条件交渉」が会社との間で繰り広げられていますよね。これを「春闘」といいます。「労働条件交渉」により獲得した労働条件は、「労働協約」として締結されるんですよ。
この「労働協約」が「労働組合法で保障された労働組合最大の武器」です。
なんと「労働協約」の内容には「就業規則」も必ずしたがう必要があるからです!
就業規則は基本的には会社が勝手に作成することが可能です。
しかし労働組合がある会社では、上位の存在として「労働協約」があるのでそれに従わなくてはいけません。
このように「労使交渉⇒労働協約締結」という流れで、労働組合は組合員の意見を取り入れて、労働条件向上をおこなっていきます。
労働組合があるか確認しよう
企業内に労働組合を持っている会社では、労働組合がないところに比べると、労働条件の向上が見込まれます。また「コンプライアンス上」もしっかりとしている可能性が高いです。
ただし、企業内組合がある会社は、「大企業」あるいは「大企業資本傘下の企業」にほぼ限られてきてしまうんですよ。
また大企業でも「労働組合のない」ところもあります。そのため会社を選ぶ際、必ず「労働組合」があるは気にしなくても大丈夫です。
厚生労働省が調査した昨今の「労働組合組織率は18%」を下回っていますので、就職志望先に労働組合がある可能性は高くないかもしれません。
労働組合基礎調査
労働組合があるかどうかは「有価証券報告書の従業員」の状況欄に記載されています。
Webから「有価証券報告書」の確認のやり方はこちら。
またはWebで「会社名 労働組合」と検索すれば、その労働組合自体がつくっているホームページを見ることができるかもしれません。
ちなみに、よく「ユニオン」「一般労組」「合同労組」といわれるところも労働組合の一種ですが、これは企業内組合とはまったく違います。
これは「組合を持たない会社」の従業員が駆け込んで助けを求めていく組織です。
まっとうなところもありますが、「中にはあなたの主張ををだしに会社をゆする」悪質なところもあり利用は注意しましょう。
中小企業の労働組合は意味がない?
残念ながら「労働組合」があるから「必ず労働条件が改善される」わけではないです。
労働組合と会社は結局、共存の関係です。
資金力のある企業ならば、労働条件が改善されることもあると思います。
しかし、大企業に付随しているような中小企業の「労働組合」はほとんど意味がありません。
私の元いた会社は、従業員みな給料が低いことに不満がありました。
当然労働組合が毎年給料の改善を求めますが、「毎年却下。」
「インフルエンザの予防注射」を社員に求めても「毎年却下」でした。
会社の言い分は毎年「資金がないから」「今は余裕がないから」
このように「資金がない会社」に労働組合が何を訴えても「ムダ」になります。
それどころか意味がないことをみんな知っているため「労働組合に関わらないほうが吉」な雰囲気が漂っていましたね。
余計な手間が増える分リターンがなにもないですからね。そりゃね。。。。
労働組合があると「お、やるじゃん」と思うかもしれませんが、あなたの主張を通すことのできる「資金力」がある会社かどうか見極めることが重要です。
OBや会社説明会で社員の方に直接聞くのがいいですね。
まとめ
労働組合は「会社と労総条件の交渉ができる権利をもっています。」
これが最大の武器で労働条件交渉により獲得した労働条件は、「労働協約」として締結され労働協約の内容には「就業規則」も必ず従う必要があります。
労働組合は社員の労働条件の向上に努めていきます。
しかし大企業でも労働組合がない会社もありますので、チェックしておきましょう。